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自助・共助・公助とは~震災時の人命救助~

執筆者:現役消防職員(消防隊長・人事マネージャー歴任)|非常時の経験を日常に活かす防災知識を発信中

 

大規模震災時、公的機関による「公助」には限界があります。阪神・淡路大震災のデータが示す衝撃の真実を知り、命を守るための「自助」と「共助」の備えを今すぐ始めましょう。

 

自助・共助・公助とは~震災時の人命救助~

 

【消防の現場視点で、まず結論をお伝えします】

消防職員として、心苦しいですが事実をお伝えしなければなりません。震災規模の有事において、119番通報が繋がる保証はなく、繋がったとしても救助隊が即座に到着できるケースは限定的です。倒壊、火災、道路断絶が同時多発する中で、私たちは「救える命の最大化」という優先順位を迫られます。だからこそ、現場にいるあなた自身の「自助」と、隣人と助け合う「共助」が必要です。公助の手が届く段階まで生き延びる仕組みを家庭と地域で作ってください。

 

過去の震災時には家屋の倒壊や家具の転倒により多くの方が生き埋めとなりました。

 

特にこのような被害が多かったのは平成6年(1995年)に発生した阪神・淡路大震災です。

 

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命の危機に瀕した時に助けてくれる存在として、消防や自衛隊にその役割を期待する方が多くいらっしゃることかと思います。

 

我々のような公安組織にはそのために税金が投入されて日々備えを続けているところではありますが、残念ながら現行の体制では震災規模の非常時に救助を求める方のところすべてに出向くのは不可能です。

 

raisethestandard.hatenablog.jp

 


1. 救助の主役は「消防」ではないという現実

これは全国どこの地域であっても同様で、そのために公助(公による救助)に先立って自助(自らによる救助)・共助(地域での救助)の取り組みの必要性が叫ばれています。

 

冒頭の阪神・淡路大震災において、倒壊家屋からの救助がどのようにして行われたかを分類したデータがあります。(日本火災学会の調査報告書より)


このデータによれば、自助にあたる「自力で」「家族に」の割合が66.8%に上り、共助に相当する「友人・隣人に」「通行人に」が30.8%という結果でした。

 

ここで「救助隊に」とされたのはわずか1.7%に過ぎず、過去の災害においても期待されるような活動が十分にできなかった事実が示されています。

 


2. なぜ「公助」の手は届かないのか

ここまで公助の手が届かない理由については、道路の寸断により現場にたどり着けないという側面や、よりトータル被害の大きい火災対応を優先すること、単純に「要救助者>消防力」というマンパワー不足の現実もあります。

 

いずれにしても、有事にすべての方を救助する体制を構築すること自体が現実的に難しい以上、公助に頼らない備えが求められます。

 


3. 「自助」:住まいの安全と行動の備え

ここでできる具体的な備えには以下のようなものがあります。

 

まず第一に、家具の固定や耐震補強など、住宅そのものの安全性を高めること。

家具の転倒防止やガラス飛散防止フィルムの活用など、日常生活の中で手軽に実施できる対策も効果的です。

 

raisethestandard.hatenablog.jp

 

続いて家庭内での避難行動のシミュレーションや、家族ごとの連絡方法を事前に決めておくことも重要です。

 


4. 備蓄と体制:生活維持の防衛線

非常用持ち出し袋の準備や飲料水・食料の備蓄、簡易トイレやライト類の確保など、生活を一定期間維持できる体制を整えておくことも不可欠です。

 

内閣府より

 


5. 「共助」:近隣とのつながりが命を繋ぐ

さらに、共助の力を高めるために地域の防災訓練に参加することで、近隣住民との協力体制を築くことができます。

 

「防災訓練のお知らせ」を目にしたことがあってもなんとなく足が向かなかった方も、一度参加してみることで何か有事に向けた気づきが得られるはずです。

 

ポスター (防災訓練告知) 画像スライド-1

 

 

自助・共助の両輪の備えで、公助が届かない状況で命を守る可能性を高めていきましょう。

 

 

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【まとめ】
大規模震災において、生存者の救助に最も貢献するのは公助(消防隊)ではなく、自助(本人・家族)と共助(隣人)です。阪神・淡路大震災での救助実績のうち、救助隊によるものはわずか1.7%という数字が、有事の過酷な現実を物語っています。家具の固定、備蓄、そして近隣との連携。これら日常の備えこそが、公助の手が届かない空白の時間を生き抜くための武器となります。他人事ではなく「自分事」として、今日から一歩踏み出しましょう。


執筆者
現役消防職員・hyakk

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